発達障害当事者は見えない障害と戦い続けて、見えないところで大きなストレスを感じながら毎日を生きている。
この記事は、発達障害当事者(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)のぼくが今までの経験を踏まえて、一人でも多くの当事者がこの世の中を生き抜くためのヒントとなればと思っている。
アスペルガー当事者には大きく分けて2つ
僕たちアスペルガーは空気が読めない。
今の世の中では暗黙の了解だとか、本音と建前だとか、目に見えない部分で気を使うコミュニケーションスキルが必要不可欠らしい。
このコミュニケーションスキルが人よりもへたっぴで苦しんでいるのがアスペルガーだ。
空気の読めないアスペルガーと空気を読みすぎるアスペルガー
そしてアスペルガーには二種類いる。
空気の読めないアスペルガーと空気を読みすぎるアスペルガーだ。
ぼくは後者のアスペルガーに分類される。
以前は前者だったが、思春期を経てうまいこと他人の気持ちを推し量る事が苦手なぼくは仲間外れにされ、拗らせてしまったのだ。
その結果後者になり、自分なりに相手のことを考えて生きるようになった。
どれだけ合わせてもすれ違い、ストレスに
それからは少しでも人に嫌われないように、少しでも人によく思われるようにだけを考えて生き続けてきた。
ただ、どれだけ頑張っても空回りするのがこの障害の辛いところ。
自分なりに相手に合わせて話しているつもりでも伝わっていなかったり。
相手の言葉の裏を読み取ることができないので理解に苦しむことも多々ある。
例に挙げると、会社の上司に「帰れ!」と言われ本当に帰るような感じ。
想像力が乏しいため、相手が言った表面上の言葉の奥底にある本質の言葉に気づかないのである。
ちなみにぼくは映画を見てもどっちが悪者でどっちがヒーローか分からない。
他にも、冗談に気づかなかったり、本音と建前の使い分けができなかったり、曖昧な支持が全く理解できなかったり。
学生時代ではまだ何とかなったものの、社会に出てからはこのような暗黙のコミュニケーションがてんこ盛りである。
「適当にやっといて」「そこら辺にあるから」「臨機応変に」
このような言葉はアスペルガーに取って全くと言っていいほど理解できないのだ。
とてもめんどくさい。
空気を読みすぎるアスペルガーには生きにくいこの世の中
そのうえ表面上には見えないので、他社からは「甘え」「そういうやつはいっぱいいるでしょ」「俺もそういうところあるし」と非難されるのだ。
また、変わった人だねとも言われる。
発達障害診断されている当事者は劣等感が人より強くストレス耐性も低い。
多くの人がストレスを感じたまま毎日を必死に生きている。
その結果、抱えすぎて起きるのが二次障害だ。
誰とも話したくない。会社に行きたくない。鬱や引きこもり、トラウマからPTSD(心的外傷後ストレス)になる場合もあるんじゃないか。
ぼくの場合は仕事中がマックスストレス状態になる。
考えたくもないのに人の表情の変化一つで落ち込み、視線を感じ、笑い声に恐怖を覚え、すれ違う時の距離感ですらストレスを感じる。
それでも、表面上では必死に健常者として取り繕っている。
周りからは「少し仕事覚えが悪い青年」にしか見えていないのだろう。
もう好き勝手生きた方がいいんじゃないか
中学時代でのトラウマからこのような保守的な生き方をしてきたが、得られたものはあまりない。
むしろ、ストレスによって過敏性腸症候群になったり、二次障害を拗らせて対人恐怖になっていたり、自分が何者か分からなくなっている。
なぜこんなにもつらい思いをしながら周りに同調して生きなければいけないのか。
みんなと一緒に足並み揃えて歩くことが絶対なのか。
ずっと考え続けてきた。
発達障害を持っているだって、他の人とは能力の差がすこし違うだけで一つの個性なのに。
少しでも能力の差が偏っているだけで仲間外れにされる世の中が大嫌いだった。
だから、もう無理せずに本来の自分のまま最高にわがままに生きても許されるんじゃないか。
これだけ頑張ったのだから、許してくれないだろうか。
もうこれ以上周囲に同調するために身を削りたくないし、ストレスを感じたくない。
これは自己防衛でもある。そしてこれ以上自分を見失わないための予防でもある。
みんなに合わせることができないんだったら、堂々と合わせなくてもいいんじゃないか。
逃げるは正義だよ。
これを見ている当事者は逃げることを趣味にしてほしい。
辛かったらすぐに逃げること。
どれだけ頑張っても、改善できない場所にいるならそれ以上頑張っても無駄だから。
そこら辺の損切は自分の中で考えないといけない。
相手の価値観を基に考えるから無理をして、心を壊してしまう。
だったら、自分自身が最大限輝ける場所に逃げればいい。
無理する必要なんてこれっぽちもないんじゃないか。
自分に合わない人だったり、見下してくる人間がいるならこっちから切ってやればいい。
もっと自分を大切にするべきなのだ。
だから、これを見ている当事者は改善できる余地がない場合だったらすぐに逃げてほしい。なんとかはなるから。
自分を大切にしよう。
以下の記事もオススメです。