発達障害

【当事者は語る】アスペルガー症候群(ASD)に接客業は向いてない。

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接客業は好きなんだけどコミュニケーションに苦手意識がある。

正社員として接客業の仕事に就こうか迷っているけど不安です。

アスペルガーであれば、接客業はやはりやめたほうがいいのでしょうか。

そんな悩みに答えます。

アスペルガー症候群の方でも、接客業に興味がある方は一定数いると思うんですよね。

コミュニケーションに苦手意識が高いのになんで?と思うかもしれませんが、

私自身当事者で、コミュニケーションに苦手意識があるものの、

接客業特有の顧客の感謝の言葉を直接聞ける部分に魅力を感じたため6回ほど様々な

接客業を経験してきました。

結論から言うとアスペルガー当事者は接客業を極力やらないほうがいいと言えます。

全ての接客業でうまくいかなかった経験がある僕だからこそ言えることだと思います。

アスペルガーに苦手なマルチタスクが多い

接客業はマルチタスクのオンパレードです。

電話業務をしながらメモを取ったり、顧客の話を聞きながらパソコン操作をしたりと、

同時作業をする場面が多々あるんですよね。

このマルチタスクがアスペルガー症候群の方からしたら苦手な場合が多い。

というのも、一つの作業に集中しすぎてしまうんですよね。

私自身も、ホテル業界で働いている時についつい1つの作業に集中しすぎてしまい、

周りが見えていないと怒られることもしばしば。

1つずつ作業をキッチリ終わらせたいのに常に同時に仕事をさばかないといけないのが接客業。

マルチタスクが苦手な人だと、難しいかもしれません。

コミュニケーション能力の重要性

接客業を一番お勧めできない理由がこれです。

当たり前ですが、接客業は兎にも角にもコミュニケーションありきです。

どのような仕事でもコミュニケーションは避けられないですが、

接客業が一番コミュニケーションを要する仕事といえるでしょう。

ただ、アスペルガー症候群の方だとコミュニケーションに関わるやり取りがどうしても苦手です。

曖昧な指示が理解できないと詰む

例えば、作業中に指示されたときに理解できない場合。

  • 何かモノを取ってといわれてもどれを指しているのかわからない。
  • そもそも指示内容が理解できない

アスペルガー当事者は、曖昧な指示内容を理解することが難しいです。

自分の中ではしっかりと意識して聞いているつもりでも、なかなか理解できないことがある。

そのまま仕事をするとミスが増えてしまい、怒られるというループが生まれてしまいます。

何回も同じことを聞くこともできないし、そのままやっても失敗してしまうので

最終的に評価を落としてしまう可能性があります。

本音と建前に気づきにくいので浮いてしまう

そして、地味に響いてくるのが本音と建前に気づかないという部分。

冗談で言ったつもりでもそのまま捉えてしまう特性を持っているアスペルガーの人は、

仕事以外の社内コミュニケーションでも、浮いてしまう可能性があります。

笑って許してくれる人ばかりだったら問題ないと思うのですが、

「あいつは冗談が通じないつまらない人だ」

と距離を取られたらやはり辛いものです。

アスペルガー症候群が職場に自分を合わせるとストレスが大きい

ここまでアスペルガー症候群の方に接客業を推さない私ですが、理由があります。

コミュニケーション第一の職場に自分を合わせるストレスが半端ないからです。

自分が好きで接客業をやるのはいいのですが、上記のように仕事面で意思疎通が図れないとどうしても居場所を失いやすいのが現実。

自分ができると思っていても、特性故に出来ないことが多いんですよね。

それでも、自分はできると思い込みながら周りに適応しようとすると、

尋常じゃないほどのストレスを伴います。

そこで陥るのが二次障害です。

うまく職場になじめずに怒られたり否定され続けても、「社会になじめない自分が悪い」と考えて頑張りすぎてしまうと鬱になる可能性があります。

そうなると、後が大変。

職場に復帰できなくなってしまったり、自信を喪失したりと転職すらできなくなり、

最悪の場合引きこもりになってしまう場合もあります。

人間は自分が思っている以上に脆いのです。

自分を大切にするためにも、特性を正しく理解して

自分の向き・不向きを理解することが非常に大切です。

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 アスペルガーだけどそれでも接客業がやりたい場合

それでも接客業がやりたいという人は、自分を理解してくれる職場環境に身を置きましょう。

これまで書いてきた内容では、周りが発達障害に理解が無い場合を書いてきましたが、

一定数理解してくれる人たちもいます。

そんな人たちがいる中に身を置くと、だいぶ気持ちが楽になりますよ。

オススメとしては、

  • 知人がやっているお店
  • 自分自身で店をやってしまう

など。

6回ほど接客業がうまくいかなかった私も、結局7回目の接客業をやっていますが、

自分が店長という立場でやらさせてもらっているので、だいぶ楽です。

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ただ、対人関係に不安障害があるので全部が全部楽しい!というわけではないですが、

発達障害に理解がある人が多いので、理不尽に怒られたりすることが無いのは

かなりでかいです。

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ここまで書いてきましたが、別に会社や職場というコミュニティーに依存して適応しなくても、自分に合った場所を探してうまく補ってもらう術を身に着ければいいんじゃないかなーと思います。

社会に適応することって発達障害当事者からすると難しいし、ストレスでしかないので。

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